カバー写真:青山裕企
カバーデザイン:永井 翔
発売日:2019年10月9日
定価:750円(税別)
出版社:文藝春秋
教えてください。彼女を殺したのは誰ですか?
神奈川県川崎市で、14歳の女子中学生・冬野ネガが、同級生の春日井のぞみを殺害した容疑で逮捕された。少女は犯行を認めたが、その動機は一切語らない。何故、のぞみは殺されたのか? 二人の刑事が捜査を開始すると、意外な事実が浮かび上がって――。現代社会が抱える闇を描いた、社会派青春ミステリー。
文春文庫公式ページより
文庫化8冊目。後述するように、去年のいまごろは文庫化の予定などまったくなかった一冊です。
解説は、細谷正充さん。アンソロジー『忍者大戦』に続いて拙作をお読みいただきました。冒頭2行であまりに感激しすぎて一周回って他人事のように冷静に読めたのは公然の秘密です。
このありがたいお言葉は、帯の裏にも掲載されています。
同じスペースには、文学YouTuberベルさんからいただいたコメントも掲載。なんて豪華な帯! お二方、ありがとうございますm(_ _)m
帯の色について
この本は、帯がつくとこうなります。
単行本版と帯の色がそっくりです。実はこれ、単なる偶然。
文春文庫は毎月、全刊行物に同じ色の帯がつくそうです。担当氏からは事前に「表紙は単行本版を踏襲しますが、帯の色は変わります」と言われていました。
ところが10月刊の帯の色は、たまたまこの色に。おかげで文庫版の見た目は、単行本版のそれと瓜二つになりました。
神社お仕事ラブコメミステリーを書いている割にたいして信心深くない自分ですが、このときばかりは神さまの存在を感じずにはいられなかった。
文庫化の経緯
冒頭に書いたとおり、去年のいまごろは『希望が死んだ夜に』に文庫化の話はまったくありませんでした(初速があまりよくなかったので、そもそも文庫化してもらえるかどうかもわからなかった)。
状況が変わったのは、今年の4月。本屋大賞授賞式の発掘部門コーナーで、大量のポップをいただいていたことがきっかけでした。
お世話になっている書店員さんが「こんなの初めて見た」と驚いていた
同時期に、ある書店さんから「入荷したいんだけど取次に在庫がない。なんとかなりませんか?」というお問い合わせが。これを版元側に伝えたところ、「もうほとんど在庫がないから文庫化しましょう」という話になりました。
細かいことはばっさり削除していますが、だいたい経緯はこんな感じ。こういうパターンで文庫化というのは珍しいようです。
珍しいと言えば、「発売後1年近く経ってから単行本版が売れ始める」というのもかなり珍しいと聞きました。初速の売上があまりよくなく、いわゆる文学賞レースをにぎわせたわけでもない本ですからね。これは本当に、書店員さんはもちろん、本書を読んで、口コミで広げてくださったみなさんのおかげです。
「版元が予算を大々的に使って宣伝して、発売即重版!」という状況への憧れは、もちろんあります(作家なら当然だと思うんだ・笑)。でも、口コミでじわじわ広げてもらう……というのは狙ってできるわけではない、得難い経験。
もう何度も書いていることですが、『希望が死んだ夜に』を読んでくれたすべての人に、改めて御礼申し上げますm(_ _)m
販促物をいろいろご用意
単行本版が「評価いただいたのに重版に届かなかった」という反省もあって、今回は最初から販促物をいろいろ用意しています。
毎度おなじみフリーペーパー。本屋大賞の発掘部門で最多投票だったことや、文庫化までの経緯などが書いてあります。裏面には『境内ではお静かに』の最新情報。友風子さんのイラストをふんだんに使った贅沢な一枚ですよ!
豆色紙には、燦然と輝く「1」の数字! 100均で買った折り紙を切って貼ってるだけですが。
また、文学YouTuberベルさんにご登場いただいたポップもあります。詳細は下記記事をご覧ください。
ご連絡いただければ、販促物はできるだけ早くお送り致します。展開していただける書店員さんは、お気軽にお声がけくださいませ。