『メフィスト』完全電子化を機に、自分の投稿歴を振り返る

mephisto2016_vol1 『メフィスト』(講談社)が本日発売の2016年Vol.1を最後に紙媒体での発行を終了。今後は電子書籍に一本化されるとのことです。

天祢涼は2007年5月号以降、 『メフィスト』を毎号購入していました。メフィスト賞を受賞してからは献本いただいていたのですが、それも今回で終了。先日は『ジャーロ』(光文社)も完全電子化しましたし、時代の流れとはいえ、やはりさみしいものがありますね……。

感傷に浸ったので、本日は、自分と 『メフィスト』及びメフィスト賞の関係を振り返ってみたいと思います。

天祢涼とメフィスト賞

なぜ天祢涼が2007年5月号以降『メフィスト』を購入し始めたのか? というと、そのころから本気でメフィスト賞受賞を目指したからです。

当時はどこの新人賞に出しても一次選考も通りませんでした。雑誌の仕事をしていた都合で、腰を据えて長編を書く時間がなかったという事情もあり、短編の賞にばかり送っていたのです。

そんなときに知った 『メフィスト』の復刊( 『メフィスト』は2006年は1年間休刊していた)。

「これだ! 俺はメフィスト賞を取るためにいままで落ちていたんだ!」

どう考えても思い込みですが、自分を洗脳して 『メフィスト』を購入。手許において、やる気がなくなったときは座談会を読みつつ、人生初の長編ミステリを書き始めました。

こうして誕生したのが『キョウカンカク』です。

常連さんへの道

こちらのサイト様のデータベースによると、『キョウカンカク』が座談会で取り上げられたのは 『メフィスト』2008年1月号。以降、2009年Vol.3まで、天祢涼の投稿作は6号続けて座談会に取り上げられてます……って、なつかしい! もうオチも覚えていない作品もある(笑)。

以下、思い出したことをつらつら。

  • そういえば投稿作に次回予告もつけて、自分にプレッシャーをかけていたなあ(遠い目)。
  • 2008年9月号に投稿した作品は、後の『空想探偵と密室メイカー』になりました(キャラクターは総入れ替え)。
  • 某所のエッセイでも書きましたが、2009年Vol.1の「誤解の果て」はあまりに気色悪い長編だったので、慌ててコメディ短編をくっつけて投稿しました。
  • 2009年Vol.2では2作送って、1作は座談会、もう1作は一行斬り……もとい、「編集者からひとこと」でした。
  • 『キョウカンカク』を改稿してデビューすることが決まっていたのですが、無視して2009年Vol.3に原稿を送ったら、初代担当P氏から「もうデビューが決まってるんだから余計な仕事を増やすんじゃねえ」という趣旨のことを大人の言葉で言われました。
  • 『キョウカンカク』を直し始めたのは2009年半ばくらいから。時々、「2年間直してたんですよね!」と言われますが、そんなことはない(笑)。その後、『キョウカンカク』の主人公・音宮美夜は形を変え、シリーズ向けに設定を追加して、現在は「ニュクス」シリーズとして講談社タイガから新作が刊行されております。

『銀髪少女は音を視る ニュクス事件ファイル』

あのころの情熱を思い出した

こうして振り返ると、自分が4ヵ月に一本のペースで長編を書き上げていたことにびっくりです。デビュー後は6年で10作。クオリティーを高めないといけないから一概には較べられませんが、うーむ、投稿時代の自分に負けてますね。

あのころの自分に完全勝利するくらい、真剣に小説を書こうと改めて思いました。現在、手がけているのは長編の書き下ろし3作と、連載1作。連載が本になるのは来年ですが、長編3作は2016年中に上梓できるよう精進しますm(_ _)m

……『メフィスト』から話が逸れたので、最後に〆の一文。

文三の皆様、紙媒体での刊行お疲れ様でした。電子版での編集も引き続きがんばってください。何年かに一度、メフィスト賞作家の競作とかで紙版でも出してくれるとうれしい。

紙から電子になっても、きっと文三の人たちの仕事量は変わらないんだろうなあ。
by 天祢涼(あまね りょう)