『その血は瞳に映らない』

イラスト:いといあつき
装幀:西村弘美
発売日:2025年8月21日
定価:2090円(税込)
出版社:光文社


横浜のアパートに住む鈴原咲玖良と娘の女子高生・優璃が、同じアパートの住人・緑川に襲われ、母親は死亡、娘も負傷した。すぐ逮捕された緑川は死刑になりたかった、と動機を供述。ニュースサイト記者・千弦は、犯人の供述に疑問を抱き、優璃と共に事件を取材する。不審な行動をとる緑川の弁護人や思惑を秘めた関係者の証言に振り廻される千弦たち。犠牲者が犠牲者を生んでゆく! SNSの闇を抉る傑作長編ミステリー。

『彼女はひとり闇の中』で主人公を務めた守矢千弦が再登場……ですが、「こいつに探偵役をやらせた方がいいな」的なノリで書いているので、直接のつながりはありません(なので「千弦シリーズ」にするつもりはなし)。『彼女は…』と辻褄を合わせるのも面倒だったしな。

帯がつくとこうなります。

美麗ですよね……今回もすばらしいイラストをくださった いとうあつきさん、デザインを担当くださった西村弘美さんに感謝です。

もともとは他社さんで「死刑になりたかった」という殺人犯を巡り、死刑の存廃について考える……みたいなミステリーを構想していました。が、その会社は担当さんが異動になったりとご縁がなくなり、構想だけで宙に浮いていた。それと、『彼女はひとり闇の中』でなかなかの跳ね返りっぷり(笑)を見せた千弦を結びつけ、光文社の担当さんと話をしているうちに産まれたのがこの小説です。書きたいことがどんどん増えていったため、天祢涼の小説にしてはちょっと長めです。

ちなみに千弦に関しては「嫌い」と面と向かって言われたことが度々ありますが、「好き」という声も同じくらいいただいているんですよね。この辺、割合好意的な声が多い『希望が死んだ夜に』の探偵役・仲田蛍とは違っていておもしろい。前述のとおり千弦シリーズをやるつもりはないのですが、光文社以外も含めて、どこかでなんらかの形で再登場させたくなるかも。

天祢涼

『彼女はひとり闇の中』を書いている時点で、千弦には「『キョウカンカク』の音宮美夜が普通に大学生をしていたら」という裏コンセプトがありました。それで書いていて楽しいんだから、こういう女性キャラが好きなんだろうな、自分(笑)。

なんかほかにも裏話がある気がするし、しばらく特典をつくらないことにしたので、もっといろいろ書きたい気もします。

でも来週のブックファースト新宿店のイベントに影響が出るかもしれないので(笑)、とりあえずこんな感じで。

こちらのイベントに参加してくださるかた、ただいま募集中です。当日は岡崎琢磨さんといろいろお話しさせていただく予定。アーカイブ配信もあるので、遠方の人も、当日新宿に来られない人も大丈夫! お名前入りサイン本を入手するチャンスでもあるので、ぜひお申し込みくださいませ。

この記事が気に入ったらシェアお願いしますm(_ _)m
ABOUT US
天祢 涼
あまね りょう
第43回メフィスト賞を受賞してデビューしたミステリー作家です。代表作は次回作。読んだ人の胸を抉るようなミステリー、胸きゅんラブコメなミステリーを世に送るべく日夜模索中。このブログでは仕事情報のほか、MacやiPhoneのネタ、猫写真などをアップしております。