文学YouTuberベルさんとのオンライン対談でお答えできなかった質問の回答一挙掲載

ベルさんとのオンライン対談、無事に終わりました。ご視聴くださった皆様、ありがとうございます。実はベルさんとは昨夜が初対面で、人見知り野郎な自分は日本語を話せるか不安だったのですが、おかげさまで楽しくトークできました(ベルさんのお人柄ですね。ありがとうございます!)。

事前にいただいた質問にメモを用意していたので、対談中お答えできなかったものをアップします。あと、チャット欄にいただいた質問も。漏れがあったら申し訳ありません。

たくさんいただいたとはいえ、「しゃベル場」が第1回なのでまだ対応できる量でした。2回目以降の人は量的に無理かもしれませんね(笑)。

事前にいただいた質問への回答

事前に用意していたメモを改変しているので、敬体と常体が入り交じってます。

Q.トークテーマはリラックス方法など聞いてみたいです。
A.あんまりリラックスしてない。作家を10年やっているので、自分は才能がまったくないわけではないと思うけど、周りに化け物みたいに書ける人がたくさんいるので(谷津矢車さん、額賀澪さんetc.)、常にネタを考えていないと生き残れない焦りがあり。強いていえば整体に行っているときだけど、コロナのせいで最近は行っていない。

Q.読者に楽しんでもらえるような小説を書くためには、どうしたら良いでしょうか?また、先生は小説を書く際、どのような工夫をされていますか?
A.読者に楽しんでもらえるような小説を書くためには……「僕が知りたい」と思う(笑)。
 それだけだと答えにならないので一応書くと。
 最近心がけているのは、「読者に絶対読んでほしいシーン」を考えること。自分で書いていて泣いてしまうとか、驚いて声を上げるとか、そういう「心を抉れるようなシーン」。そこに向けて話を組み立てていく(うまくいかず書くのに時間がかかることもある)。
 小説を書く際の工夫としては、なるべく作業を小分けにすること。例えば、1章を4つに分けて、それをさらに4つに分ける。シーン1で詰まったら、それをさらに分けて、書けるところから書く。こうやって目の前の原稿から少しずつ書かないと、完成が見えなくて心が折れる。
 あとは、思いついたらなんでもメモする。メモを全然取らない作家もいるようだけど、自分はそこまで記憶力もネタもないので、Appleの「メモ」というアプリになんでもかんでも書き込み、後で整理する。その過程でなにか閃くことがあるし、何年か経って使えるネタもある。
 以上はあくまで「いまの天祢涼のやり方」なので、あんまり参考にしない方がいいかもしれません。

Q.ラノベやホラーに挑戦してもうまくいかずミステリーに絞ったら書けたとのことですが、うまくいかなかったときの苦労話を教えてください
A.ラノベは『スレイヤーズ』という90年代に大流行したラノベが好きだったので、あれを土台にしたかった。が、『スレイヤーズ』は魔法のルールが細かく決まっている。自分には、ああいうルールや世界を丸ごと構築することができなかった(考えていてもあまり楽しくないのです)。そうすると、既存の作品の借り物のような設定しか浮かばず、完成させても駄作になることが見えていた。それでやめた。
 ホラーは、書いてて笑ってしまう。自分が書くとこわくない。昔、「聴くと身体が腐敗する音楽が書かれた楽譜」を巡るホラーを考えたことがあるが、プロローグで身体が腐っていく視点人物を書いている時点で爆笑してやめた。

Q.執筆が煮詰まったときの気分転換には何をしますか
A.パソコンの前から離れ、家の中をうろうろ歩き回る。だから喫茶店で仕事とかはあまりできない。あとはジョギング。身体を動かしていると、なにか閃くことがある。

Q.社会派ミステリーというジャンルを描くことで気を遣っているところというか、意識していることはありますか?
A.「社会派ミステリー」と言い出したのは元担当なので、自分は「そんなだいそれたものだろうか……」という感覚は少しあります(笑)。
 それはさておき、意識しているのは、社会問題とエンタメ、どちらにも偏りすぎないこと。社会問題だけだと説教くさくなるし、エンタメだけだと安っぽくなる。そのバランスを取りたいが、取れているかはわからない。実際、「貧困問題を商売にしないでほしい」という声をいただいたこともある。
 仲田シリーズで貧困問題に興味を持った人もいるし、印税を少しだけ寄附したりもしているが、「商売として利用しているかも」という後ろめたさのようなものは確かにある。

チャット欄でいただいた質問の回答

以下、チャット欄。話すのに手一杯で見ている余裕はほとんどなかったのですが(最後の方に少しだけできた)、たくさんいただいていたんですね。『希望が死んだ夜に』や『境内ではお静かに』の感想などもいただきうれしいですm(_ _)m

Q.希望が死んだ夜には、製作にどのくらい時間かかったのですか?
A.はっきり覚えてないけど、「書こう」と思ってから世に出るまで2年くらいかな?(取材や資料集めに1年弱かかってます)

Q.タイトルもふってくる!?
A.降ってきますが、使い物にならないものも降ってきます。ちなみに降ってくるまでは仮タイトルにしていて、「子どもの貧困ミステリ(仮)」「神社ミステリ(仮)」など割とそのまんまです。

Q.​タイトルが先に浮かんだ本はないってこと!?
A.ないです(断言)。

Q.​天祢さんは『希望が死んだ夜に』『あの子の殺人計画』をなにシリーズって呼んでほしいですか?
A.「仲田シリーズ」ですかね。でも版元が真壁の名前を出しているので、それでもいいです。とは言え、短編の構想もちょっとあるのですが、それには確実に真壁は出ません。

Q.連載と書き下ろし、どっちが書きやすいですか?
A.長編の場合は、圧倒的に書き下ろしです。最後の方まで書いた後、いいアイデアが思いついたら全面改稿できるので(連作短編の場合は連載でもできるけど)。理想は原稿を全部書き上げてから連載という形で原稿料をもらうことですかね(笑)。

Q.​いま降臨するとなると『ベルが鳴り終わった果てに』とか?
A.あとは『誰がためにベルは鳴る』というのもいいかもしれません。

Q.​雫ちゃんは誰がモデルなんやー!?
A.最初期は、某ライト文芸の神社関係者の女の子をイメージしていました。が、友風子さんからイラストをいただいて以降はずっとそっちです。連載原稿を本にまとめる際も「ぜひ友風子さんにお願いしたい」と言いました。基本、イラストレーターさんは担当にお任せなので自分にとってはかなり例外です。

Q.好きな小説のジャンルはなんですか???
A.やっぱりミステリーですね。でも基本的になんでも読みます(ただし読むの遅い)。

Q.好きな作家さんは、誰ですか?
A.お話しした乙一以外だと、横山秀夫とアガサ・クリスティーが二大巨頭です。学生のころは遠藤周作を読み耽ってました(敬称略)。

Q.意識してる書き手さんいますか?
A.昨夜も少しお話ししたけど乙一さんですね。ライバルとか目標とかそういう話ではなく、ファンとして。

Q.​教員免許ありますか?
A.一応取ったけど、もう失効してると思います。

Q.​作品を書いてる時、感情移入しちゃいますか?
A.します、というか、感情移入できないとおもしろくならないと最近気づきました。まだ気づいたばかりなので、うまくいかないことも多いです。

Q.​フルバが佳境ですね、
A.次回はいよいよ紅野回ですね!

Q.ずばり!好きな曜日は??
A.月曜日です。『キン肉マン』が更新されるから。

Q.​あまねさーーんげんきーーー?!
A.この質問をいただいた時点でぎりぎりでした。

Q.​オススメの本はありますか?
A.この質問をいただく前に話した『恋に至る病』以外で最近読んだ本たと、逸木裕さんの『空想クラブ』です。自分には絶対書けないタイプの話でした。

Q.​オススメの小説・漫画が知りたいです!
A.小説は『恋に至る病』『空想クラブ』。漫画は一昨日、最終巻が出た『高嶺と花』がめっちゃ好きでした。御曹司と庶民女子高生のラブコメです。

天祢 涼
ベルさん、皆さん、ありがとうございました!