『ライトノベルから見た少女/少年小説史』の「キャラクター」の定義がおもしろかった

ほんのみせコトノハさんで購入した『ライトノベルから見た少女/少年小説史: 現代日本の物語文化を見直すために』を読了。『遥かに届くきみの聲』で双葉社のルーキー大賞を受賞して話題の大橋崇行さんの評論書です。

〈少女小説〉と〈少年小説〉が、戦前から戦後にかけてのまんがの成立を大きく規定し、
日本の「まんが・アニメ」文化の礎を築いてきたのではないか―。

ライトノベルを起点に〈少女小説〉〈少年小説〉に戻り、日本の物語文化を見直す。
特権化されてきた、まんが・アニメーション文化論を超え、現代日本の物語文化を見直すとき、そこにはどんな問題が立ち上がってくるのだろうか。
これまであまり行われてこなかった、まんが・アニメと小説とがどのようにつながるのかという問題を、〈物語文化〉という問題意識から考える文芸批評。
大塚英志〜東浩紀を経てゼロ年代批評に至る既存のサブカルチャー論に、文学研究の視点から全面的に反論。日本のキャラクター文化言説の再編成を行う、刺激的な書。

不勉強のため、本書で論じられた少女小説、少年小説とライトノベルの関係がどこまで的確なのか、従来の理論と異なるのか、天祢涼にはわかりません。

が、圧倒的な資料数で語られることで、強い説得力がありました。6年近く前の本ですが、ライトノベルやキャラクター小説の歴史、定義について一つのあり方を示しているのではないかと思います。

特に「キャラクター」の定義についてはおもしろかった。

天祢涼は「お前はキャラクターが書けてない」「お前が書くキャラクターには魅力がない」とさんざん言われてきた身。「ではキャラクター小説とはなんぞや?」と問うと、明快に答えられる人は少ない……という状況が続いてきました。それだけに「答え」がほしかったんですよ。本書で提示された「答え」には一定以上の説得力があって納得しました。

天祢 涼
話が脱線しますが、『境内ではお静かに』シリーズは「クールビューティーな美少女巫女が信心ゼロの雑用係と一緒に事件を解決」といういかにもキャラクター小説でありがちな設定ですが、「キャラクター小説」として評価されたことはあまりありません。1作目が文庫になる際も、「光文社キャラクター文庫」ではなく、「光文社文庫」に入りました。

前述のように、不勉強のため本書の論理がどこまで的確なのかはわかりませんが、大変おもしろく、参考になった本でしたm(_ _)m

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