2012年1月、天祢涼は『葬式組曲』という本を上梓しました。
葬式が原則禁止されたパラレルワールドの日本を舞台に、さまざまな形の葬式が行われる……という連作短編集。第一話が日本推理作家協会賞の短編部門にノミネートされたり、本格ミステリ・ベスト10で7位に入ったり、本格ミステリ大賞の候補作になったりしました。
自分で言うのもなんだけど、とんでもない高評価です。
版元は原書房。文庫レーベルはないので、双葉社さんからお声がけいただき、文庫版は双葉文庫から上梓しました。自分としては満を持しての文庫化だったのですが、セールスはいわゆる「爆死」。「双葉文庫で求められている小説ではなかった(大意)」と敗因分析をされたので、「だったらほかでもう一度勝負したい」と交渉して契約終了となったのは既報のとおり。
とまあ、大見得を切ったくせに以降はまったく動いてないのですが(いろいろ慌ただしくてのう)。
そういうわけで、文庫版の絶版状態が続いている『葬式組曲』ですが、なんとなんと! 昨日、八重洲ブックセンター本店さんで単行本版のサイン本を数量限定でつくらせてもらいました!!
9年半前に出した単行本のサイン本なんて、滅多につくらせてもらえません。今後もこんな機会はないんじゃないかと思います。
いま読むと粗削りなところも多々ありますが、冒頭に書いたとおり、業界内で高く評価されたにもかかわらずセールスがふるわなかった「隠れた名作」扱いされているミステリーです。おそらくサイン本は、これを最後に手に入らない……というより、そもそも通常版も入手困難です。もっと言えば、2012年に単行本版を上梓した後も、そんなにサイン本はつくっていません。
ほしい人は、ぜひ八重洲ブックセンター本店へ!