今年出すもの、出したいもの①「セシューズ・ハイ」シリーズ文庫化

今年出すもの、出したいものに関する記事第1弾。「セシューズ・ハイ」シリーズこと『議員探偵・漆原翔太郎』『都知事探偵・漆原翔太郎』文庫化のお話。

『セシューズ・ハイ 議員探偵・漆原翔太郎』

『都知事探偵・漆原翔太郎 セシューズ・ハイ』

単行本では『セシューズ・ハイ 議員探偵・漆原翔太郎』『都知事探偵・漆原翔太郎 セシューズ・ハイ』とタイトルが不統一でしたが、文庫版では、

『議員探偵・漆原翔太郎 セシューズ・ハイ』
『都知事探偵・漆原翔太郎 セシューズ・ハイ』

とタイトルが統一されました。その辺の経緯はこちらの記事を参照。

両方とも既にゲラになっておりまして、順調に進行中。『都知事探偵』に関しては、担当P氏が小池都知事旋風に便乗したインパクト抜群の帯を用意してくれております。

セシューズ・ハイとは

そもそも「セシューズ・ハイ」とはなんぞや? という方のために説明。

当選早々、「世襲議員に感謝しろ」と言い出し、世間の反発を買ってしまったおバカな二世議員・漆原翔太郎。そんな彼を、「サムライ秘書」雲井は懸命に一人前の政治家にしようとする。事件に遭遇する度に、必死の推理で翔太郎を助けようとする雲井。毎回名推理を披露するものの、翔太郎の言動で事態は予期せぬ方向へ……。それでも気がつけば、いつも事件は解決。もしかしたら翔太郎はすべて計算している天才? それとも運がずば抜けていいだけのおバカ? 雲井の苦悩は今日も続く!

もともとは文芸誌『メフィスト』で開催された企画「メフィスト総選挙」に寄稿した短編でした。P氏から「シリーズ化できる探偵を書いてください」とオーダーがあったものの、基本は読み切りのつもりで執筆。当時は美夜シリーズや『空想探偵と密室メイカー』など人が死にまくる話ばかり書いていたので、徹底的におバカで気楽な話を目指しました。

これがなぜかP氏にウケて、続きを書くことに。L部長のアドバイスで雲井のキャラをオッサンからイケメンに変更した上で、刊行となりました。そう、「サムライ秘書」の雲井クンは、短編版では中年のオッサンだったのです。刊行直前まで「家に帰ってきたら妻に逃げられていた」というかなしい設定も背負っていたのです。

「国会議員・漆原翔太朗」(『メフィスト』2011 Vol.2収録)

オッサンの雲井が読めるのは 『メフィスト』だけ!

セシューズ・ハイ刊行後の影響

加藤木さんのイラストがすばらしかったこともあって、発売直後から売上は好調。さらに続編の執筆も決まりました。

さらにさらに、この本を読んだ人たちから、取材やお仕事の依頼もたくさんいただくことができました。自分にとってのターニングポイントは4作目『葬式組曲』ですが、「仕事が増えた」という意味では間違いなくこのシリーズ。本当にありがたかったです。『都知事探偵』を出した年には、『本格ミステリ・ベスト10』で取材もしてもらえたし、「黄金の本格ミステリー」にも選出されましたからね。

そう、おバカなノリではあるけれど、これはちゃんと本格ミステリなのです(笑)。

『2015本格ミステリ・ベスト10』絡みで4点

また、二代目担当Y氏の尽力で、この作品を応援してくれる書店員さんと知り合うこともできました。何人かの方とは、いまも年賀状をやり取りしています。奈良の書店にお邪魔したとき、翔太郎の手描きイラストポップを飾っていただいているのを見たときは本当に感動したなあ……「店に入ってすぐの棚」といういいすぎる場所にあったので気づかず通りすぎて店内をうろうろしたのも、いまとなってはよい思い出です。

気軽に読んでほしいからこそ、文庫化はうれしい

こんな数々の思い入れと思い出があるセシューズ・ハイ。ただ、「そこそこ売れた」とは言ってもベストセラーにはほど遠かったのは事実。正直、単行本ではなく、手軽に読める文庫で出してほしい、という気持ちはありました。

それが叶った今回の文庫化。それも『議員探偵』『都知事探偵』と二作が短期間で続けて文庫化。お話が来たときは脳内で一人ビールかけをするくらい歓喜しました。

表紙イラスト、デザインの担当さんも決まったし、解説はものすごい方に書いていただけることになりました。

基本的に雲井クンが振り回される様を楽しんでいただきたいおバカなミステリです。どうかお手に取って、楽しんでいただければ幸いですm(_ _)m

『議員探偵』は3月発売。『都知事探偵』も発売月が決まりましたらお知らせします……と書いておいてなんですが、実は某所でフライングで発表しちゃったんですよね(^_^;)
by 天祢涼(あまね りょう)