短編『八月 花は口ほどにものを云う』

giallo201406

『ジャーロ』2014年夏号に短編『八月 花は口ほどにものを云う』を寄稿しました。連作短編『フラワーバスケット』の第三章です。

第二章の女子高生の恋話から一転、定年退職したおっさんが娘のためにトルコキキョウを持って右往左往します。

第一章・公民館職員→第二章・女子高生→第三章・定年退職したおっさん

と、毎度視点人物が変わっている『フラワーバスケット』。現在執筆中の第四章も、これまでと違った属性の視点人物になる予定です。

また、同号に第14回「本格ミステリ大賞」の選評も寄稿しました。天祢涼が「『スノーホワイト』と『教場』で迷ったけど、『教場』に投票した理由」を書いております。

なお、千街晶之さんの評論「異世界ミステリの見取り図」で、『葬式組曲』と音宮美夜について少々触れていただきました。ありがとうございます!

以下、『フラワーバスケット』第三章に関する裏話。

  • プロット段階では親子ではなく、老夫婦の話にする予定でした。しかし四分の一ほど書いたところで、どうにもしっくり来ず設定を大幅に変更。親子にしたら、一気に書き上げることができました。天祢涼にとってプロット破棄はよくあること……なのですが、計画的に書き進められる作家さんがちょっとうらやましい(^_^;)
  • イラストをご担当いただいたのは、今回も上杉久代さん。ラフを拝見した時、あまりに視点人物(摂津さん)のイメージにぴったりで小躍りしました。完成品もすてきです。
  • 執筆中、前回に続いて『歌物語』(薬師丸ひろ子)とJoanna Newsom(ハープ弾きの女性シンガー)の曲をエンドレスで聴いていたら、まったく筆が進まず。前回は少女な気分に浸ればよかったけど、今回の視点人物は定年退職した男性。こりゃいかん、とiTunesのライブラリをひっくり返して見つけたアルバムがRichard Ashcroftの『Alone With Everybody』とEric Claptonの『Pilgrim』。これを流している間は気持ちが盛り上がることに気づいてから、ちょっとした洋楽ブームが起こりました(現在は沈静化)。
  • 今回の花はトルコキキョウ。参考にしようと花屋に行ったところ、あまりに品種が多くて驚きました。しかも見た目はバラのようで、イメージしていたトルコキキョウと違う!と思ったら、どんどん新たな品種が開発されているそうで。技術の進歩はすごいなあ。

天祢 涼(あまね りょう)
天祢涼