『もう教祖しかない!』

もう教祖しかない!装幀:bookwall
写真:帆刈一哉
発売日:2014年7月15-18日
定価:1500円(税別)
出版社:双葉社

 

 

恵まれていない僕たち……生きのびる道は、宗教!?
ロスジェネ必読の新感覚ミステリー
老朽化した銀来団地で急速に広がりを見せる新宗教《ゆかり》。大手流通企業スザクのセレモニー事業部で働く早乙女六三志は、顧客との生前葬義契約(プレニード)を守るべく、教団潰しを命じられた。ところが、同世代の教祖・藤原禅祐は訴える。
「今や若者は、社会や成功者にとって搾取の対象でしかない」
「そんな我々が逆転するには、もう教祖しかないのです!」
そして両者は、《ゆかり》の存亡を賭けてある勝負に挑むことに――。

天祢涼6作目。

1年ぶりの新刊!
1年半ぶりのオリジナル作品!
3年ぶりの長編!

と、お久しぶりの要素がそろっております。若き教祖とエリートサラリーマンが、信者数を巡って熱い頭脳戦(のようなもの)を繰り広げます。

帯つきではこんな感じ。

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以下、いつものように裏話(ネタバレなし)。

  • もともとは「若い教祖vs.初老の行政書士」という話にするつもりでした。行政書士が宗教法人の申請のお仕事をしているから……という理由だったのですが、初老男性をうまく書けそうにないことと、行政書士である必然性を感じられなかったため、すべてボツに。代わって生まれたのが、若手エリートサラリーマンの早乙女六三志です。
  • 六三志は、『キョウカンカク』に登場する早乙女源司の従兄という設定で、源司に勉強を教えているシーンを書こうと思ってました。でもそんな悠長なシーンを入れる余裕がなかったのと、それ以上に美夜シリーズとはあまりに世界観が違うので、第一章を書き終えた時点であきらめました。
  • 構想段階では、『トリック』みたいなインチキ宗教家がトリックを仕掛けて信者を増やしていく、六三志はそのインチキを見破るor見破れないの繰り返しで信者が増減していく……という展開を思い描いていました。が、「一度インチキだとばれたら、以降、信者が増えるはずない」と気づいて断念。
  • 舞台は老朽化した団地。天祢涼は団地で暮らした記憶がほとんどないので、「孤島にしませんか?」と担当FY氏に提案しました。孤島で暮らしたこともないけど、団地よりは大嘘が書けると思ったのです。しかし「団地の方が身近でおもしろい」と云われて、それに従うことに。結果的には団地にしてよかったと思います。団地は魅力的な舞台になることがわかったので、いずれまた書いてみたい。
  • 禅祐の妹は、当初、信者と肉体関係を持ちまくる奔放な女性にするつもりでした。色気あふれる女性を書きたかったのです。でも「こんな兄妹、親があまりにかわいそう」と思ったのと、視点人物にすることにしたので、割と常識人になりました。
  • 『カラフル』連載中は「ザ・宗教カンパニー」というタイトルでした。が、装幀担当のbookwall・松さんから「内容と合わないんじゃ?」という意見をもらい、FY氏と相談した結果、「もう教祖しかない!」に変更。自分達で決めておいてなんですが凄いタイトルだな、これ。
  • 表紙を写真にしたのは、これまた松さんのアイデア。「ネクタイを引きちぎる男性の写真にしたい」という提案があった時は驚きましたが、狙いを聞いておもしろいと思いました。期待以上のすばらしい表紙にしてもらって感謝。
  • 表紙のモデルは、双葉社の営業さん。お会いしたことはありませんが、脚が長くてうらやましい。
  • 表紙の撮影は、bookwallの事務所で行われたそうです。

    天祢「自分も行った方がいいですか?」
    FY氏「お願いしようかと思ったけど、著者がいると気を遣いますから」
    天祢「それは『来るな』ってことですか?」
    FY氏「いやー、僕の口からはこれ以上なにも(笑)」

    という会話があったので、撮影の日、天祢涼は自宅で仕事していました。でもFY氏や双葉社の方々を信頼しているので問題なし。

いい人達と仕事ができてよかった。

from天祢 涼(あまねりょう)
天祢涼

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ABOUTこの記事をかいた人

あまね りょう
講談社のメフィスト賞でデビューしたミステリ作家です。著書に『キョウカンカク』『葬式組曲』『謎解き広報課』ほか。このブログでは仕事情報のほか、MacやiPhoneのネタ、猫写真などをアップしております。