Hagoromoは天祢涼にとって理想のテキストエディタでした

昨年末くらいから、小説を書くのにHagoromoを使うようになりました。当初は「下書きはHagoromo、InDesignで清書して入稿」と分けていたのですが、いまは最初から最後までHagoromo一本。もはや天祢涼が小説を書くのに欠かせないアプリになりました。

そもそも使い始めた理由

2005年くらいから、DTPの仕事で購入したInDesignで小説を書いていました。2010年にデビューしてからも愛用していたのですが、InDesignはバージョンCCになってサブスクリプション制(月単位、年単位でお金を払う形式)に移行。いまはCS6でしのいでいるけど、将来、OSがバージョンアップしたら動かなくなるのは間違いない。

メインで使うソフトを「買い切り」できないことには、やっぱり不安があります。将来、お金が払えなくなったら過去のファイルがまったく開けなくなるわけで。最近は小説の方が忙しくてDTPの仕事も減ってきているので、Adobe系ソフトにそこまで金をかける必要もなくなった(InDesignとProduction PremiumのCS6があればOK)という事情もあり、そのうち代替ソフトをさがさないとなあ、と思っておりました。

そんな時に発表されたのがHagoromo。開発者のArtman21さんはJedit Xでもおなじみ。JeditもInDesignと同じくらい愛用している天祢涼にとっては、こいつを使うしかない! というわけで、発売後、即購入。ただ、当初は不安定で、様子見しながら使っておりました。

設定はこんな感じ

Ver1.03くらい少しずつ安定してきて、段々と使い始めたHagoromo。天祢涼はこんな設定にして使っております。

hagoromo1本にした時となるべく近い状態で書きたいので、ページは縦長にして、編集さんと決めた文字数・行数を設定(画像は今月発売の新刊『ハルカな花』)。InDesignで慣れてると、ここの設定調整にちょっとコツがいりますが(上下左右のマージンが固定しにくいせいかな?)、まあ、なんとかなります。

天祢涼が使っているのは原稿用紙モード。レイアウトモードと違って、ルビや圏点を振っても行間が開かないからです。マス目は目にうるさいので、用紙の色と同じにして見えないようにしています。

普段は27インチのiMacなのでこれでよいのですが、MacBook Air 11インチで書く時はレイアウトモードに変更して、「文書スタイル」も「文書幅をウインドウ幅にあわせる」にしています。でないと画面が小さすぎて、表示サイズを縮めないと1行分表示されない(^_^;)

hagoromo2編集さんに送る時は、こんな風にページ数2枚の見開きレイアウトにして、「PDFとして保存」。できあがったPDFをメール添付して送っています。なにも考えずにやると奇数ページが右、偶数ぺージが左という縦組みの本ではありえないレイアウトになってしまうので、本文は5ページ開始と考えて、4ページに目次を置き、4ページから最終ページまでをPDFにしています(レイアウトの方向に注意)。

なんでこんなことを書いているのかと言うと、いざ送る時、設定を忘れることがあるから。自分への備忘録も兼ねてます(笑)。

Hagoromoのメリット

使っていて一番うれしいのは、やはり軽いことです。そもそもInDesignは本来デザイン用のソフトなので、きれいな組版ができる分、機能が多すぎて少々重たい。Hagoromoはエディタなので、書くことだけに専念できます。

開発者が「Adobe系ソフトでは動かないから自己責任でどうぞ」と書いていたPopClipも、Hagoromoなら問題なく動くので細かい作業がはかどるし、これもInDesignでは動かなかったcmd+Dの「辞書で調べる」もできます。さらに、日本語入力ソフトかわせみの「かなキー二度押しで再変換」もできる! 文字の打ち間違いが多い天祢涼にとって、これほどありがたいことはありません。

ここまでならほかのテキストエディタでもできるのかもしれませんが(試してないのでわからない)、Hagoromoは検索置換が充実。文字色や圏点、ルビの検索もできるのです。考えながら小説を書いてて、保留箇所はとりあえず黄緑色にしたりしているので、これはかなり便利……って、ほかのテキストエディタでもできたらすまん(繰り返すけど、試してないのでわからない)。

要望とか、今後の展望とか

すばらしいアプリをつくってれたArtman21さんには感謝しかありませんが、難を言えば、まだちょっと不安定。突然、アプリが落ちたり、テキストの選択を解除できなくなったりすることがあるので、その辺は改善していただきたいです。

今後はJeditのようなマルチファイル検索・置換や、これもJeditのようにウインドウを分割して前のページを見ながら書けたりできる機能が追加されるとよいなあ、と思っております。人によっては段組のサポートもほしいかもしれませんね。

これらが満たされれば最強エディタになるのですが、1.06でブックマークがサポートされた時点で、天祢涼としては既に大満足。

Hagoromoには、今後も末長くお世話になると思います!<(^ ^)

天祢 涼(あまね りょう)
天祢涼

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天祢 涼
あまね りょう
第43回メフィスト賞を受賞してデビューしたミステリー作家です。代表作は次回作。読んだ人の胸を抉るようなミステリー、胸きゅんラブコメなミステリーを世に送るべく日夜模索中。このブログでは仕事情報のほか、MacやiPhoneのネタ、猫写真などをアップしております。