「当面は特典をつくりません」この結論に至った理由と今後の方針をお伝えします

最近、天祢涼のことを知ってくれた人は知らないと思いますが、私は特典をつくるのが好きです。デビュー3年目、『セシューズ・ハイ』の東●ポ風のペーパーをつくったのを皮切りに、新刊発売やイベントなどのタイミングで、これまで数え切れない数の特典をつくってきました。

1週間もかからずできあがるものがほとんどなので、完成まで時間がかかる小説執筆の息抜きにちょうどいいんですよ……小説を1週間で書ける人には息抜きにならないでしょうけど(笑)。

ただ、特典をつくったところで売れるとはかぎらない。特典があっても売れないときは売れないし、売れるときは売れる。「時間は有限だから費用対効果を真剣に見極めないといけないなあ」と薄々思っていたところに、大きな問題が起こったので、天祢涼は当面、特典をつくらないことに決めました

人生初、〆切をすっ飛ばしてしまった……

なにが起こったのかというと、〆切の日に原稿を送り忘れてしまったのです。

原稿は書き上げた。担当編集者に送る日を予告した。送信用のファイルもつくった。なのに、送信するのを忘れてしまった……これはある意味、〆切を忘れてなにも書いてないよりヤバい状態です。

その時期、新作執筆やゲラ戻し、特典制作に加えてエアコンがこわれた(!)というアクシデントもあって、かなりばたばたしていました。中でも特典制作はぎりぎりで、意識が朦朧とすることも。「こういうときはミスをしやすい。気をつけなくては」と注意してはいたのですが、やらかしてしまいました。

幸い、関係各位のご尽力があって大きな事故にならずに済んだものの、まがりにもプロとしてやっている身としては許されないミスです。かなり反省するのと同時に、自分の仕事量の限界を感じ、特典制作を見直すタイミングが来ているのではないかと考えました。

……なんて書くと「そんなに追い詰められているのか、天祢涼」と思われるかもしれないけど(笑)、特典をやめるのには前向きな理由もあります。

小説の仕事と、それ以外のこともやりたい!

前々から書いているとおり、『謎解き広報課』が酒飲み書店員大賞をいただいてからご依頼が一気に増えました。これまで刊行してきた本の数に匹敵するほど。デビュー15年目になって依頼数が過去最多になるというのは、なかなかないことなのではと思います(ありがたい!)。

いただいているご依頼すべてを実現できるとはかぎりません。レーベルが廃止されたり、担当者が異動になったりして、立ち消えになる仕事もあるとは思います。

でも依頼をいただいた以上は、できるだけ実現したい。

中には「学生のころ『希望が死んだ夜に』を読んでました」「前職のときからお仕事したいと思ってました」と言ってくれる編集者もいて、そういう仕事は燃えるんですよ……前者には時の流れを感じずにはいられないけど(^_^;)

一度だめになったけど再度チャンスをもらった仕事もあり、そっちも燃えている。

というわけで、特典をつくる時間を小説の執筆に充てたい。でないと、いただいている仕事を終わらせることは不可能。実は少し前から、そう考えていました。それもあって、特典づくりを無期限中断しようと思った次第です。

天祢涼

方々で表明しているとおり、漫画原作もやりたくて勉強中。あと、いつの日かゲームをつくりたいという野望もあり、Unreal Engine 5もちまちまいじってます(楽しい)。

今後について

特典づくりは、あくまで「無期限中断」です。終了ではないので、いつかなにかのタイミングで復活するかもしれません。読み物ではなく、栞やカードなら表紙データさえあればそれほど時間をかけずにつくれますしね。

ただ、小説執筆(と漫画原作&Unreal Engine 5の勉強)以外にかける労力は極力減らしたい。

その一環で、増殖する一方だったSNSを整理します。具体的にはこんな感じ。

  • X(Twitter)…基本は現状のママ
  • Bluesky…終了(アカウント削除)
  • mixi2…たまに見るだけ
  • Instagram…更新頻度減。写真投稿中心(いい写真を撮れるようになりたいので)
  • Threads…基本はXと同じ運用予定

mixi2は国産SNSだからアカウントを残しておきたい。ThreadsはXが不安定になったときの予備の意味合いもあるし、おもしろそうなので使ってみたい。長いこと放置してますが、一応アカウントはあるのでよかったらフォローしてください。こちらです。

SNSでのレスがなく、無愛想モードに突入するかもしれませんが「仕事してるんだな、こいつ」と思ってあたたかく見守ってくださいm(_ _)m

特典をつくらないことに不安はあるけれど

正直、ずっと特典をつくってきたので不安はあります。冒頭に書いたとおり費用対効果を見極めてないので、「特典がないのか。なら天祢涼の本を買わなくていいや」という人が大勢出てくるかもしれない(^_^;)

でも、いまはとにかく小説を書いたり、漫画原作を考えたりと、創作の方に力を入れたいのです。

それに、新作を出すことこそが最大の販促になるはず。ものすごく集中すれば、天祢涼だって「小説を1週間で書ける人」になれるかもしれない。

というわけで、一日でも早く新作をお届けできるように、改めてがんばります。今後とも、どうぞよろしく(`_´)ゞ

書店さんにお配りする豆色紙やポップは、これまでどおりおつくりします。ご希望のかたは、お気軽にご連絡ください。

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ABOUT US
天祢 涼
あまね りょう
第43回メフィスト賞を受賞してデビューしたミステリー作家です。代表作は次回作。読んだ人の胸を抉るようなミステリー、胸きゅんラブコメなミステリーを世に送るべく日夜模索中。このブログでは仕事情報のほか、MacやiPhoneのネタ、猫写真などをアップしております。