『セシューズ・ハイ 議員探偵・漆原翔太郎』

5thbookカバーイラスト:加藤木麻莉
カバーデザイン:大岡喜直
発売日:2013年1月23日
定価:1400円(税別)
出版社:講談社

 


謎解きは
清き一票のために!

急逝した父のあとをうけ、国会議員になった漆原翔太郎。初登院早々に飛び出した問題発言や問題行動で、支持率急落、早くも次の総選挙は赤信号!? 危機的状況に頭を痛める秘書・雲井進のもとに舞い込んだのは、マンションの建設反対運動。支持率アップのため翔太郎をけしかける雲井だったが、唖然とする行動に出られてしまい……?

天祢涼5作目。『メフィスト』2011Vol.2で発表した短編「国会議員・漆原翔太朗」を全面改稿して「公園」に改題した上で、さらに4話を追加した連作短編集です。コンセプトは「ユーモアミステリを装ったなにか」。表紙の手触りのよさは天祢涼作品史上最高! ネット上には出回っていませんが裏表紙もすばらしい!! というわけで、ぜひお手に取ってご覧ください。

さて、せっかくなので、ちょっと裏話を。

『メフィスト』掲載の短編「国会議員・漆原翔太朗」は担当P氏より「400字詰め原稿用紙50枚に収めること」という指令がありました。

天祢「とても伏線を回収しきれない。もっと枚数を!」
P氏「では51枚にしてやろう」
天祢「せめて52枚に!」

話し合いの末、結局54枚にしてもらったのですが、いくつかの設定は削除することになりました。無駄が省かれたので、読み切り短編としては正しい形で世に出せたと思います。ちなみに盟友・丸山天寿さんは同じ号に載った短編を、きっちり50枚で仕上げたそうです(すげえ)。

と、これはこれで終わったのですが、この短編を気に入ってくれたP氏から「次はコメディとかユーモアとか、そういう路線でいきませんか」と提案を受けました。こちらも人が死にまくる話を書くのに疲れていたところだったので渡りに船、「国会議員・漆原翔太朗」をたたき台にした連作短編集を執筆することになった次第。短編版ではぶん投げた設定も、ひっそりと復活させております。

ちなみに本作は、6月から文三の部長になったLさんからもアドバイスをいただきました。仮にLさんが部長に就任していなかったら、まったく別の形で世に出ていたかもしれないわけです。
また、このタイトルと加藤木さんのイラストを見て、装幀担当の大岡さんがちょっとした遊び心を加えてくださるという、うれしい予想外がありました。
ほかにも、読者モニターさんからたくさんのありがたいコメントを頂戴したりと、これまで以上に「縁」や「巡り合わせ」を感じる作品です。
「『天祢涼』は大勢の人に支えてもらっているんだなあ」ということを再認識できました。本当にありがとうございます。

よい作品を書いていくことがこのご恩に報いることだと思いますので、より一層精進致します。

……ときれいに締めておきながら、内容はおバカな世襲議員がお堅い秘書を振り回すドタバタコメディです。とりあえず「あー、おもしろかった」と笑ってお楽しみいただければ幸いです。

2016年1月28日追記・まさかの台湾版が刊行されました。

『セシューズ・ハイ』台湾版

2016.01.22

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ABOUTこの記事をかいた人

あまね りょう
講談社のメフィスト賞でデビューしたミステリ作家です。著書に『キョウカンカク』『葬式組曲』『謎解き広報課』ほか。このブログでは仕事情報のほか、MacやiPhoneのネタ、猫写真などをアップしております。