『透明人間の異常な愛情 ニュクス事件ファイル』

カバー装画:PALOW
カバーデザイン:坂野公一(welle design)
発売日:2017年11月22日
定価:690円(税別)
出版社:講談社

 

殺意が視える探偵vs.透明人間 ノンストップ・バトルミステリ! 密閉された研究所に潜む姿なき殺人者を探せ!  一つの失敗が死を招く!!
空飛ぶナイフが通行人を襲う。だがそれを握る者の姿はない。地方都市で起きた奇怪事件を追う、銀髪の美少女探偵・音宮美夜。黒い噂のある研究所へ潜入調査を始めた彼女を待ち受けていたのは、音や声が視える美夜の特殊能力「共感覚」を封じる罠、脱出不可能な密室、そして所員を容赦なく殺害していく透明人間!! 美夜の命に執着する姿なき敵を見つける方法はあるのか?

13作目。デビュー作『キョウカンカク』の主人公・「音が視える探偵」音宮美夜が登場するミステリです。帯つきの表紙はこちら。

帯つきもやっぱりカッコいい!

 

前作『銀髪少女は音を視る』は編集部のオーダーに最大限応えることを念頭に置きました。

『銀髪少女は音を視る ニュクス事件ファイル』

2016.03.17

しかし本作は「自分が書きたいもので、読者さんに楽しんでもらえそうなもの」を念頭に置いて執筆。結果、天祢涼史上最もやりたい放題のミステリになっております。

以下、恒例の裏話。

  • 「自分が書きたいもの」を具体的に書くと、「美夜にしか解決できない事件」。それはどういう事件だ? と頭を捻って捻って捻りまくり、今回の犯人・透明人間「ステルス」が生まれました(こういう風に犯人に二つ名をつけるのは好き)。どういう形で「美夜にしか解決できない」のかは、ぜひ読んでお確かめくださいm(_ _)m
  • 「バトルミステリ」と銘打たれているとおり、今回は戦闘シーンが多めです。自分で意外だったのですが、このタイプの小説を書くのは実は初めて。「新境地」と言える一作かもしれません。
  • 一方で、前述のようにやりたい放題なので、好き嫌いが分かれるだろうなとは思っております。でも音宮美夜って、もともと好き嫌いが分かれるような特殊ミステリを書くために生み出したキャラなんですよね。その意味では、新境地でありながら「原点回帰」とも言えるかも。
  • 前作執筆時、編集部から「400字詰め原稿用紙350枚以内で」というオーダーがありました。そうすると、本文最終ページは252になる。これは天祢涼のほかの小説に比べると、飛び抜けて少ないです(ちなみに『キョウカンカク』は600枚くらいだったかな?)。前作もこの範囲内ぎりぎりだったのですが、今回は冒頭に見開きで研究所の見取り図を入れてしまったがために、本文がより少なくなることに……。そのせいで、参考文献の掲載をあきらめました。でもページ数は少ないのに、文字数は前作より3000文字くらい多かったりする(笑)。
  • その見取り図は、Twitterでも書いたとおり天祢涼が自作したもの。周木律さんが自作していると聞いて対抗意識を燃やしました。でも「線が細くて印刷できない」など方々のお手を煩らわせることになってしまい反省。校了日は深水黎一郎さんの講演会の前日で関西にいてUSJで遊んでいたのですが、ジュラシック・パーク・ザ・ライドに並んでいるときに担当さんから「ドアが印刷できません!」と緊急のメールが来たことは、たぶん一生忘れない。
  • 表紙は、今回ももちろんPALOWさん。前作に続き、すばらしい音宮美夜を描いてくれました。透明人間の表現も劇中の小道具をうまく使ってくれて、「この本にはこれしかない!」と感激。デザイン担当のwelle designさんも、前作に続いてすばらしいレイアウトに仕上げてくださいました。
  • 仮タイトルは『銀髪少女VS.透明人間』でした。なにも言われなかったのですが、「本当にこれでいくのか?」と思い、打ち合わせの後、横浜スタジアムに野球観戦に向かう途中で担当さんにメール。すると球場到着寸前、「変えましょう」と返信が。スタジアム特製のビール「ベイスターズ・エール」を飲んでベイスターズを応援しつつ、頭の片隅でタイトルを考えていました。
  • 『透明人間の異常な愛情』というタイトルは土壇場まで迷った末に決まったもの。内容と合っててよいと思ったのですが、飲み会で友人から「『銀髪少女VS.透明人間』の方がよかった」「いまから戻せないんですか?」とまさかのダメ出しをされました(^_^;)
  • 今回は多忙のため、動画はなし。でもつくりたいとは思っているので、そのうちアップします(現在、動画クリエイターさんに相談中)。ちなみに前作の動画はこちら。

  • 『希望が死んだ夜に』は「社会派青春ミステリ」と銘打たれ、高い評価をいただきました。来月発売のアンソロジー『新鮮 THE どんでん返し』に寄稿した「居場所」も、青春ではないけど「社会派」に属する短編だと思います。再三繰り返しているとおり、今後はこの路線のミステリも書いていきたい。一方で、美夜シリーズのように「銀髪の美少女が悪い奴を捕まえる」アニメ・マンガ的なノリのミステリを書くのもやっぱり好きなのです。音宮美夜の話は今後もマイペースに書いていくつもりなので、おつき合いのほど、よろしくお願い致します。

『希望が死んだ夜に』

2017.09.24

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ABOUTこの記事をかいた人

あまね りょう
講談社のメフィスト賞でデビューしたミステリ作家です。著書に『キョウカンカク』『葬式組曲』『謎解き広報課』ほか。このブログでは仕事情報のほか、MacやiPhoneのネタ、猫写真などをアップしております。