Magic Keyboardの良いとこ悪いとこ

ブログに書いていませんでしたが、去年の4月、Magic Keyboard(英字配列)を購入しました。当時の価格で12744円。いまどきキーボードにこんな金を出すことになるとは……(^_^;) しかもテンキーがついてないし。

正直、購入までかなり迷いましたが、それでも買った理由と、使用感なんぞを。

Apple Keyboardが瀕死になった

天祢涼が長らく使っていたのは、Apple Keyboard(テンキー付きの英字配列)です。このキーボードは打ち心地がよくて、ほかのキーボードには戻れないくらい愛用していました。

が、なぜか使用頻度が低いF2キーがはずれかけるという不可思議な事態に。

「でもF2キーなんて滅多に押さないから。とりあえず接着剤でつけておけばいいから」と思ってそのまま使っていたのですが、ある日、右手の小指がやけに疲れていることに気づきました。原因はなんだ? と思いながら小説を書いていたら、なんと力一杯押さないとreturnキーが反応しない。そのせいでreturnキーを二度、三度と押すことが増えて小指に疲労が溜まっていたわけですね。なるほど。

って、困るじゃん、これ

というわけで、Apple Keyboardを買い替えることにしました。この時点ではテンキーがないMagic Keyboardの購入など、検討すらしていなかったのです。

テンキーがなくても小説は書けることに気づいた

キーボードを買いにいく時間がなかったので、ひとまずApple Wireless Keyboardを引張り出して使うことにしました。このキーボードはiMacを買ったときについてきたもの。でも、いちいち乾電池を取り換えるのが煩わしくて、ほとんど使っていませんでした。

「テンキーがないんだよなあ。不便だよなあ」と思いながら〆切前の原稿を書き始めたのですが……あれ? 結構いける?

後述する理由で、天祢涼は「テンキーのないキーボードなんてキーボードじゃない」と思っていましたが、ことHagoromoで小説を書く分にはなんの問題もないのでは? むしろ、MacBook Airと操作感が統一されていい感じ? 手が動く範囲もかぎられて集中できる? これは思いがけない誤算でした。

数日間Apple Wireless Keyboardで執筆して、帳簿をつけたりもして、テンキーがなくてもなんの問題もないことを確認。「なら、このキーボードでいいか」とも思ったのですが、打鍵感がしっくりこないのと、電池が切れたときの交換が面倒だったので、初めてMagic Keyboardの購入を検討しました。

プレミアムな打鍵感らしいので、物書きとしてはぜひほしい。が、値段もいまどきのキーボートとは思えないプレミアム。相当迷い、ほかのサイトやブログのレビューをさんざん見ました。迷いました。この間に短編のプロットくらい書けるんじゃないか、と思うくらい悩みました。

が、『銀髪少女は音を視る』の印税が入ったことに背中を押され、思い切って購入を決意したのです

ある意味、Magic Keyboard購入の立役者

すごくいいけど、InDesignでは致命的に使えない

  • MacBook Airと操作感が統一できる
  • 打鍵感がすごくよさそう

という理由でプレミアムな値段を押し切って購入したMagic Keyboard。それから半年以上。使用感に関して、一言で言えば「大満足」です。

天祢涼は指を滑らせるようにキーボードを打つ癖があるので、ストロークの浅いMagic Keyboardは非常に打ちやすい。見た目とは裏腹に、キーを押したときに「押した!」という感触がしっかり返ってくるので小説を書いていて気持ちもいい。実際、このキーボードを買ってから一日に書く文字数が増えました! ……「余計な描写が多い」と言われて削る手間も増えましたが(^_^;)

「上下の矢印キーが押しにくい」という批判的なレビューもよく目にしましたが、自分の場合、それはありませんでした。初めて気づいたのですが、どうも自分はブラインドタッチしていない……というかできないらしく(笑)、時々、視線をキーボードに落としていることが判明。それに矢印キーは親指で押しているので(本当は小指で押すのかな?)、「上下キーが押しにくい」ということはまったくないですね。

なお、バッテリーは乾電池ではなくてリチウムイオン電池。充電はLightningケーブルをMacにつないで行います。半年以上、ほぼ毎日使っていますが、充電したのは3、4回ほど。Appleの公表どおり、かなり長持ちです。Magic Trackpadが乾電池式の旧型を使っているので、これは大変助かります。

以上、小説を書く分には大満足な一品ですが……手放しでオススメはできません。

InDesignの文字スタイル・段落スタイルのショートカットにはテンキーが必要です。これがないと、いちいちマウスを使ってスタイルを選択しなくてはなりません(少なくともCS6まではそうだった)。

天祢涼は、かつてInDesign使いでした。だからテンキーなしのキーボートは考えられなかったのです。

がんばればテンキーなしでもできないことはないのですが、はっきり言って面倒だし、操作も直感的でなくなる。DTP作業をする際、InDesignの文字スタイルや段落スタイルにショートカットを当てはめまくっている身として、これは致命的。

というわけで、DTPをするときは押し入れにしまった瀕死のApple Keyboardを引っ張り出して仕事しています。最近は小説のお仕事が増えたので、あんまり使わなくはなりましたけどね。

長くなりましたが、まとめると、

  • ほとんど一日中文字を書いている
  • 値段が高くても気にしない
  • MacBookとできるだけ作業環境をそろえたい
  • InDesignはほとんど使わない

こういう人だったらMagic Keyboardは文句なく最高の買い物になることでしょう……って、ものすごく限定されそうですが。

趣味も兼ねてフリーペーパーやポップをつくっているので、今後もDTPは続けるつもり。あ、ということは瀕死のApple Keyboardはいつまでも処分できないということに……(苦笑)。
by 天祢涼(あまね りょう)
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天祢 涼
あまね りょう
第43回メフィスト賞を受賞してデビューしたミステリー作家です。代表作は次回作。読んだ人の胸を抉るようなミステリー、胸きゅんラブコメなミステリーを世に送るべく日夜模索中。このブログでは仕事情報のほか、MacやiPhoneのネタ、猫写真などをアップしております。