短編「十二月 誰がために花は咲く」

giallo201503『ジャーロ』2015年春号に短編「十二月 誰がために花は咲く」を寄稿しました。連作短編『フラワーバスケット』の第五章です。およそ1年半続いた連載も今回で最終回。なんとか無事ゴールすることができました。

ラストシーンは漠然と抱いていた構想どおりですが、そこに至るまでのミステリ的な展開は、長いこと書いていて自分の考えが変わったのと、担当W氏の指摘を踏まえて大幅に変更しました。こういう変化は連載ならでは。貴重な経験です。W氏に担当してもらえてよかった。

上杉さんのイラストも毎回すてきでした。これが見られなくなってしまうのは残念。

『フラワーバスケット』は一部加筆修正&改題を経て、今夏刊行予定です。これまでの天祢涼ミステリとは違う、基本的にほんわかした話になって(いると思い)ます。

なお、ここで書いたことはなかったと思うのですが、天祢涼はいわゆる「煽り文」が大好きです。最初のページに編集者さんが書いてる、例のあれです(暗殺教室とか、ストーンオーシャンとか)。

『フラワーバスケット』にも毎回煽り文をもらっていたのですが、最終回は「天才フラワーデザイナー〝だった〟榊の心の闇に、花は再び光を? 感動と驚きの最終回」。

誰か想像しただろう、アホバカ世襲議員の話を書いてる作家が、こんな煽り文をもらえるなんて(笑)。

以下、蛇足。

個人的に一番好きな煽り文は、アメコミのUncanny X-Men #360。新キャラ勢ぞろいでWHO ARE THEY? WHAT ARE THEY? FIND OUT INSIDE!と銘打たれていて、しかも表紙がビックリマンのヘッドシールみたいにキラキラしててテンション上がりまくりなのですが、こいつら次の話で全員死ぬんですよ。あれはびっくりだったなあ(どっかで生き返ってるかもしれないけど)。

この辺りの展開を描いた「ハント・フォー・エグゼビア」編は翻訳予告が出たものの結局出版されませんでしたが、昨今のアメコミブームに乗って、どこかの出版社さん、どうですか? って、いまさら無理か(^_^;)

天祢 涼(あまね りょう)
天祢涼